ノートルダム大聖堂のデジタルデータに復元の光が!デジタルアーカイブの可能性
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先日、大規模な火災に見舞われ、
大きな焼失被害があったノートルダム大聖堂。
このニュースには、世界中が悲嘆に暮れました。

これから具体的な検証を経て、
世界中が協力して再建に向けて進んでいくことでしょう。

お金に関しては、
大事な世界文化遺産でもありますし、
世界中から再建を望む声がありますので、
世界中から寄付金が寄せられることが予想されます。

時間に関しては、
具体的な検証の途中ではありますが、
現段階で、再建には数十年の時間が必要と言われています。

技術に関しては、
デジタルの設計図は存在しているため再建は可能で、
あとは最新鋭の建築技術を用いることで、
時間はかかれど再現されることでしょう。

このような事態になって、
私たちが思うのは、

「ノートルダム大聖堂は復元されそう!よかった!
・・・・・・・・・日本で同じようなことが起きたらどうなるの?」

ということです。

ここでは、
ノートルダム大聖堂が復元できる最大の理由と、
復元するにあたって重要な技術である
デジタルアーカイブ」について、
さらに、日本の文化財に何かあった時に
対応するために必要なことについてみていきます!

ノートルダム大聖堂が再建できる理由

ノートルダム大聖堂は、
着工から既に850年以上が経つ歴史ある建造物です。

さすがに当時の設計資料は残っていないでしょ!

と思いきや、
2015年に最新鋭のレーザー測定技術を用いて、
極めて正確な設計書を作り上げていました。
また、このデータを用いることで、
極めて正確な空間地図も作れてしまったそうです。

これは、専門的な用語で言うと、
デジタルアーカイブ」という技術になります。

ざっくり簡単に言うと、
有形・無形文化財などを
デジタル化して記録保存を行うことで、
今回のような万が一の場合に文化資源として公開したり、
ネットワークを通じて専門家に意見を聞いたり、
人の営みを記録し、後の世に色褪せることなく残したり、
より良い人の営みを実現するためのヒントを得たり、
といった活用ができるようになるものです。

当時、米国大学教授であった
アンドリュー・タロンという方が測定を実施したそうです。

さすが欧米諸国は最新技術の活用に積極的ですね!

ノートルダム大聖堂の再建にあたって、
設計図は必要不可欠です。

当時、これほど大規模で歴史的価値がある建築物を対象として
最新技術を使った測定に踏み切った技術者と、
それを受け入れたフランスの器量の大きさが
再建の光を見出すに至った最大の理由ではないでしょうか。

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日本で同じことが起きたら対応できない?

現在の日本のデジタルアーカイブ事情

日本はリスクヘッジに余念がありませんので、
こういった革新的な行動に踏み出すことが
なかなか難しかったりします。

そのため、デジタルアーカイブの分野では、
まだまだ積極的な活用ができていません。

活用ができている例としては、
国立図書館のデジタルコレクションが挙げられます。

国立図書館の歴史的な書籍や資料をデジタル保存・管理しています。
万が一、国立図書館に何かあった時には安心ですね。

それ以外は・・・

特筆するような事例というのが特にありません・・・

一部の企業や自治体、コミュニティなどの
クローズドな機関内でデジタルデータ化が進んでいることはあるのでしょうが、
オープン化されているデータは非常に少なく、
社会全体でみると、欧米諸国に比べて一歩で遅れている感じがありますね。

建築物に関して言えば、
法隆寺などの日本を代表する建築物は、
画像や施工方法を写真やテキストといった
デジタルデータで保存する機関もあるようです。

しかし、いくつかの機関のデジタルデータを見てみましたが、
正直、これらの写真やテキストデータだけでは再建するのは難しい。
そんな情報量でした。

やはり情報をオープンにして色々な機関が絡んでこそ、
情報にボリュームと汎用性がでてくるものです。

それには国の協力が不可欠です。

デジタルアーカイブに関する国の方針

2017年に、国のデジタルアーカイブ推進の方向性について議論されました。

その際には、諸外国の現状を踏まえた上で、
オープンなデジタルコンテンツの活用で社会が活性化するような、
「デジタルアーカイブ社会」というものが提唱されました。

国としても、デジタルアーカイブの必要性や可能性には気づいているのでしょう。

今回の件で、
ますますデジタルアーカイブに関する期待は高まると思いますので、
国も本腰入れて政策に乗り出してほしいですね。

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まとめ

今回の事態を受けて、
世界中でデジタルアーカイブの必要性と可能性に
期待が寄せられることでしょう。

日本も、これを機に補助金などを出して
万が一の時に備えて、
積極的に文化財のデジタルアーカイブ化を進めていけると良いですね!

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